拡大を続ける世界の電気自動車市場

ドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州にある太陽電池・水素研究センターの最新レポートによると、バッテリー電気自動車、プラグインハイブリッド車、航続距離延長型EVを含む世界の電気自動車（EV）ストックは、2023年には約4,200万台に達し、前年比約50%の増加となる。このうち、中国のEVは約2,340万台で、世界全体の半分を超える。スタティスタのデータによると、世界の電気自動車市場の売上高は2024年に$7862億円に達し、2024年から2029年までの年平均成長率は6.63%と安定的に推移すると予測されている。業界の専門家は、環境問題への意識の高まりと技術の急速な進化に伴い、世界のEV販売台数は2024年も力強い成長の勢いを示すだろうと見ている。

販売データ全体が着実に成長

報告書によると、2023年に世界で登録される電気自動車は1480万台で、中国が900万台でトップ、次いで欧州連合が250万台、米国が150万台となっている。

市場調査会社ABIリサーチは、世界のEV販売台数は2019年から506%増加したとしている。国際エネルギー機関（IEA）は「2024年世界の電気自動車見通し」の中で、2024年の世界のEV販売台数は1,700万台に達し、世界の自動車販売台数全体の5分の1以上を占めると予測している。中国のEV販売台数は約1,000万台に増加し、国内自動車販売台数の45%を占めると予想されている。欧州と米国では、EV販売台数が総販売台数のそれぞれ約4分の1と9分の1を占めると予想されている。

マッキンゼーの調査によると、2024年には、まだ電気自動車を購入していない消費者のうち38%が、次の車は電気自動車になると回答している。ブルームバーグの分析によると、電気自動車の需要は新興市場で加速しており、タイやインドネシアなどの国々では商用EVの販売台数の大幅な増加が見込まれている。

産業発展の有望な展望

世界経済フォーラムの調査によると、バッテリーの航続距離、車両コスト、充電インフラなどの問題が改善されるにつれて、電気自動車の世界需要は大幅に増加する見込みである。政府のインセンティブ、技術革新、消費者の嗜好の変化など、さまざまな要因によって市場は急速に拡大している。

IEAの報告書は、市場競争と大規模生産によって電気自動車の価格が下がるにつれ、電気自動車の需要が飛躍的に伸びることが予想されると指摘している。電気自動車は、さまざまな国で排出量削減のための重要な手段となっている。バッテリー技術や充電技術の絶え間ない革新に加え、EVと人工知能、インターネット、ビッグデータとの融合により、市場機会はさらに拡大するだろう。

2024年世界の電気自動車展望」は、EVの販売台数の伸びに合わせて公共充電設備を確保することが、市場の着実な拡大にとって極めて重要であることを強調している。2023年の世界の公共充電ステーション数は、2022年と比較して40%増加し、急速充電器の伸びはさらに加速する。各国政府が設定した電気自動車の普及目標を達成するためには、2035年までに充電ネットワークを6倍に拡大する必要があると予測されている。

中国の製造業がグリーン転換を支援

スマートな電気自動車が台頭する中、消費者の意識の変化と技術の進歩が世界の自動車市場を大きく変えつつあり、電動化プロセスでは中国が際立っている。中国汽車工業協会によると、2023年の中国における新エネルギー車の生産台数は958万7,000台、販売台数は949万5,000台に達し、前年比でそれぞれ35.8%、37.9%の増加となる。現在、中国製の電気自動車は世界の総生産台数の半分以上を占めている。

ドイツの「Handelsblatt」紙によると、世界の電気自動車分野では、バッテリーと充電技術が研究開発の主要分野となっており、中国が主導的な地位を占めている。中国は充電技術に関する数多くの特許を保有し、自動車メーカー、サプライヤー、大学、新興企業からなる緻密なネットワークを形成している。BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなどのドイツメーカーは中国企業と協力し、共同研究やサプライチェーンの統合を模索している。

IEAは、カーボンニュートラルを達成するためには、新エネルギー車の世界販売台数が2030年までに約4,500万台、2023年の3倍以上に達する必要があると見積もっている。現在の生産能力は、この需要を満たすには不十分である。タイ電気自動車協会のスラポール・サニ副会長は、新エネルギー産業の発展は世界的なトレンドであり、電気自動車における中国のリーダーシップは気候変動対策に大きく貢献していると述べた。中国との協力強化は、世界各国、特に発展途上国の新エネルギー産業の発展に利益をもたらすだろう。